マイクロ法人設立のきっかけ
私は都内のIT企業で正社員として働きながら、2022年にマイクロ法人を設立しました。当初は副業の売上が年間100万円程度でしたが、個人事業主として確定申告していると税負担の重さを感じていました。
特に所得税と住民税の負担が大きく、せっかく副業で稼いでも手元に残る金額が少ないと感じていました。そこで税理士に相談したところ、マイクロ法人の設立を勧められたのです。
設立前の検討事項
マイクロ法人設立前に最も心配だったのは、勤務先の就業規則でした。幸い私の会社は副業を許可していましたが、念のため人事部にも相談し、書面で確認を取りました。
また、設立費用も気になるポイントでした。株式会社の場合25万円程度かかるため、合同会社での設立を選択し、約10万円で済ませることができました。
実際の節税効果
個人事業主時代(年収400万円の場合)
- 所得税:約18万円
- 住民税:約20万円
- 国民健康保険:約35万円
- 国民年金:約20万円
- 合計:約93万円
マイクロ法人設立後
- 法人税:約5万円
- 法人住民税:約7万円
- 厚生年金・健康保険:約31万円
- 合計:約43万円
| 項目 | 個人事業主 | マイクロ法人 |
|---|---|---|
| 所得税/法人税 | 18万円 | 5万円 |
| 住民税/法人住民税 | 20万円 | 7万円 |
| 社会保険料 | 55万円 | 31万円 |
| 合計 | 93万円 | 43万円 |
| 節税額:年間約50万円 | ||
年間約50万円の節税に成功しました!
運営上のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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税理士選びのポイント
マイクロ法人の運営で最も重要だったのが税理士選びです。私は以下の点を重視して選びました:
- マイクロ法人の実績があること
- オンラインでの対応が可能
- 月額顧問料が適正価格
- レスポンスが早い
結果的に月額2万円(年末調整・確定申告込み)の税理士事務所にお願いし、非常に満足しています。
会社員との両立のコツ
正社員とマイクロ法人代表の両立で気をつけている点:
- 時間管理の徹底:本業に支障をきたさない
- 会計ソフトの活用:freeeで効率化
- 定期的な税理士との面談:月1回のオンライン相談
- 年間スケジュールの把握:申告期限等を事前にチェック
設立を検討している方へのアドバイス
マイクロ法人設立は、適切に運営すれば大きな節税メリットがあります。ただし、以下の点は必ず確認してください:
- 年間売上が一定額以上であること(目安:300万円以上)
- 勤務先の就業規則を確認
- 信頼できる税理士を見つける
- 継続的な学習意欲があること
私の場合、マイクロ法人設立により年間50万円の節税と、将来の年金増額という大きなメリットを得ることができました。同じような状況の方には、ぜひ検討をお勧めします。
マイクロ法人設立の総合評価
よくある質問(FAQ)
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Q1. マイクロ法人設立に最適な年収はいくらですか?
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A. 副業売上が年間300万円以上あれば、マイクロ法人設立によるメリットが出やすいです。それ以下の場合は、税理士費用などのコストとのバランスを考慮する必要があります。
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Q2. 会社にバレずにマイクロ法人を設立できますか?
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A. 住民税の徴収方法を「普通徴収」にすれば、会社に通知されることはありません。ただし、就業規則で副業が禁止されている場合は、事前に確認または相談することをお勧めします。
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Q3. 税理士は必ず必要ですか?
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A. 法律上は必須ではありませんが、法人税申告は複雑なため、税理士に依頼することを強く推奨します。私の場合、月額2万円で年末調整・確定申告込みの契約をしています。
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Q4. 株式会社と合同会社、どちらが良いですか?
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A. マイクロ法人の場合、設立コストが安い合同会社がおすすめです。私も合同会社で設立し、約10万円で済みました。対外的な信用度を重視する場合のみ株式会社を検討しましょう。
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Q5. 本業の会社で社会保険に加入している場合はどうなりますか?
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A. マイクロ法人でも役員報酬を設定する場合は、マイクロ法人側で社会保険に加入する必要があります。本業と副業の両方で社会保険料を払うことになりますが、報酬額の調整で最適化できます。
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Q6. 設立後の維持費用はどれくらいかかりますか?
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A. 主な維持費用は以下の通りです:
- 税理士顧問料:月2万円程度
- 社会保険料:月2.5万円程度(報酬額による)
- 法人住民税:年間7万円
年間で約40〜50万円程度が目安です。
まとめ
マイクロ法人設立のポイント
- 節税効果:年間約50万円の税負担軽減を実現
- 適正規模:副業年収300万円以上が目安
- 設立形態:コスト重視なら合同会社がおすすめ
- 必須パートナー:信頼できる税理士の確保が重要
- 事前確認:就業規則の確認は必須
- 将来性:年金増額など長期的なメリットも大きい
マイクロ法人設立は単なる節税対策ではなく、将来への投資でもあります。社会保険の充実により、病気やケガのリスクにも備えることができ、老後の年金も増額されます。
設立から2年経った現在、この決断は正しかったと確信しています。皆さんもぜひ、専門家に相談してマイクロ法人設立を検討してみてください。

